国民年金の切り替え

年金制度 個人事業主

年金制度の仕組み

年金制度について習ったのはいつだったか覚えていますか?

教科書を発行している出版社のHPで教科書の目次や指導計画書を確認すると、中学・高校の公民で習うそうです。私が中学生の時の社会科は1年が地理、2年が歴史、3年が公民と年次で分かれていました。ただし、歴史の授業が3年生の一学期途中まで残っていて、公民は半年ぐらいで駆け足で過ぎ去っていった思い出があります。受験勉強の時期とも重なっていたので、どの先生でどんな授業をやっていたかすら記憶にない状態です。

ただ、年金については不思議と健康保険よりも正確に覚えていることに気づきました。最近特に「老後2000万円問題」や「iDeCO」のようにニュースで取り上げられることが多くなっているので、私のように何となく制度の概要を理解されている方が多いのではないでしょうか。

ということで、本日は退職後の年金の切り替えについてご説明します。

日本の公的年金制度は、3階建ての造りになっていて1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金までは加入が義務付けられています。3階部分は確定拠出型年金などが保険料の上乗せされています。

以前は3階部分に厚生年金基金がありましたが、制度が実質的に破綻しており、2023年時点で多くの厚生年金基金が解散または確定給付企業年金(企業型)に移行が進んでいます。

なお、生命保険会社で取り扱っている「個人年金」は、公的年金制度を補填するための保険商品の一つであり、公的年金制度には含まれませんのでご注意ください。

国民年金の保険料(毎月・前納)

会社を退職すると、厚生年金からの脱退は会社が行ってくれますが、国民年金への加入は自分で申請し納付する必要があります。

国民年金の保険料は毎年改定が行われ、令和4年度は16,590円、令和5年度は16,520円(いずれも毎月納付の場合)に減額することが決まっています。

学生時代よりだいぶ高くなったと思って日本年金機構で保険料の変遷を調べたら、平成元年に8,000円だった保険料は令和4年度には倍増となる16,000円を超えています。

国民年金保険料の変遷

国民年金では保険料を前払いすることで割引になる前納制度が用意されています。前納の種類は、当月末(早割)、6か月、1年、2年と4種類から選ぶことができます。当月末というのは、口座引き落としにしたときに毎月50円ずつ保険料が安くなる納付制度です。

どれぐらい保険料が安くなるかを年金機構のHPから整理してみました。

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/zenno.html

個人事業主としてずっと続けていくなら2年前払いをして少しでも保険料を抑えてもよかったのですが、4か月分の健康保険料や住民税を年明けにまとめて支払っていたので、国民年金は毎月納付にしました。

なお、国民年金の支払いはPay-easy(ペイジー)に対応していますので、インターネットバンキングから払込をすることができます。

Pay-easyの使い方については、下記の公式サイトを参考にしてもらいたいと思いますが、国民年金だと「収納機関番号」「納付番号」「確認番号」を入力するだけで払込ができるのでとっても便利です。

ペイジーの使い方 | いつでも、どこでも、ペイジー。
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国民年金基金と付加年金

国民年金の積立だけだと、仮に20歳から40年間納付を続けても60歳時に受け取れる月額の国民年金は6万5000円ほどの給付額になります。年金制度の2階部分にあたる厚生年金がない分、自営業や個人事業主・フリーランスは老後の年金受給額が低くなってしまいます。

そのため、自営業や個人事業主の年金受給額を増やす制度として、国民年金基金と付加年金制度があります。

国民年金基金は、自営業の方や個人事業主を対象とした公的な個人年金です。国民年金基金に加入した場合、公的年金と同じように65歳から支給され、死亡するまで続く終身年金が基本になります。加入時に何口入るか決められることができ、1口目は65歳から支給される終身年金だけになりますが、2口目以降は確定年金(支給開始時期や支給期間が決まっている年金)など7種類から自由に組み合わせて選ぶことができます。

付加年金制度は、毎月の保険料に400円を加えることにより、年金受給時に基礎年金の受給額を上乗せできる制度です。付加年金の年金上乗せ額は200円×付加保険料加入月数です。加入できるのは、1号保険者だけとなっていて死亡するまで需給が続く終身年金になります。

一見するとお得な制度にように感じますが、付加年金は物価や賃金の上昇と連動しないため、上乗せ額として支給される200円×付加保険料加入月数の金額が今と同じ貨幣価値とは限らない点です。インフレや賃金上昇が発生した時に支払った額に対して受取りが少なく感じるリスクがありますので、加入を検討する際は注意が必要になります。

国民年金基金と付加年金について注意が必要なのは、重複して加入することはできない点です。年金受取額を増やすなら、掛金が高い国民年金基金を選ぶべきですが、月々の負担を考えるとすぐに決められない方も多いと思います。また、自営業・個人事業主でもiDeCoなど他の資産運用を組み合わせる場合、税制上の区分も国民年金基金の掛金は社会保険料控除、iDeCoは小規模企業共済等掛金控除で分かれているのでどちらがお得かは単純には決められないと思います。

切り替え時に持参するもの

国民年金に切り替える時に必要なものは下記の3つです。

  • 基礎年金番号がわかるもの(年金手帳・基礎年金番号通知書など)
  • 本人確認書類 (マイナンバーカード、免許証、パスポートなど)
  • 退職日がわかる証明書 (離職票、健康保険喪失証明書、退職証明書など)

引用; 厚生労働省「【国民年金】加入・喪失・変更 必要書類リスト」

私も当然ながら必要書類を持参して手続きに行きました。ただし、健康保険の切り替えの帰りにハローワークに立ち寄り、最後に最寄りの駅の出張所で国民年金の切り替えようとしたところ、どこを探しても離職票が見つかりません!

ハローワークに置き忘れてしまったと早合点しましたが、スマホで調べたら雇用保険受給の手続きで離職票を提出すると戻ってこないようです。

退職の証明は他の書類でも可能ですが、離職票を持って一日で手続きを済ませようとする場合は手続きの順番にも注意しましょう。

私の場合は離職票以外の書類を持っていなかったので、役所の方が電話で退職の確認を取って頂き、問題なく切替えが完了しました。窓口の方は快く対応して頂きましたが、余計な手間をかけさせてしまいました。電話の確認先から折り返し連絡を受けて退職の証明ができたので、前の職場にかけたわけではない(前の職場なら在籍の確認はすぐできるはず)ようですが、どこに確認しているのか聞けばよかったです。

なお、国民健康保険に加入される方は、市区町村の出張所であれば年金と健康保険の切り替えが一緒に手続きができるので手間が省けます。

まとめ

国民年金への切り替えは、健康保険のように他の選択肢があるわけでもなく、国民健康保険ほど高額でもないので特に悩む必要はありませんでした。

自分が65歳を迎える2040年代半ばに、少子高齢化が加速する中で今の年金制度がどのように存続しているか不安が募ります。ミレニアムに沸いていた2000年の頃に現在の生活環境を想像するようなものなので難しいと思いますが、今よりも受け取れる額が増えることはないと考えた方が賢明だと思います。

そのため、ライフプランのシミュレーションをしなくても国民年金とこれまで加入してきた厚生年金だけでは賄えないだろうということは薄々感じています。このまま個人事業主を続けた時に将来受け取れる年金額を算出し、老後への備えを考えていかないといけないと切実に感じました。

最後になりますが、今日までの公的手続きに関する記事は、内容に誤りがないよう慎重に作成していたため、公開が遅くなってしまいました。

毎日投稿続けるのもなかなかに大変だと痛感しています。。

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